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関節リウマチの診療において重要な採血項目について

関節リウマチの患者さんは大体1か月から2ヶ月に1回受診されることが一般的だと思います。

そして生物学的製剤・免疫抑制薬・また免疫調節薬と言った特殊な薬を使うことから、おそらく毎回採血をしているのではないでしょうか。

採血項目には様々な項目があり、一体何のことだかよくわからないという患者さんの声をよく聞きます。

採血の項目はどれもとても重要ですが、リウマチ専門医は特にリウマチの活動性に関して「ここ」という項目に絞ってチェックをすることが一般的です。

今回は関節リウマチ診療における採血データ中でも特に重要な4項目に関して詳細に解説をいたします。


1. 抗CCP抗体

関節リウマチを診断する上で最も重要な項目です。

非常に特異度(検査で陽性ならその疾患と診断される確率)が高く、この抗CCP抗体が高値でかつ関節の症状があれば95%以上の確率で関節リウマチという診断となります。

一方で感度(検査陰性ならその疾患は否定できる確率)はとても低いため、抗CCP抗体が陰性であっても関節リウマチではない!ということにはならないのです。

関節リウマチにおいて、この抗CCP抗体が陰性の患者さんというのは20%ほど存在すると言われています。

いわゆる血清反応陰性リウマチと言われます。

血清反応陰性リウマチの診断には関節超音波や造影 MRI などを使用いたします。


2.RF

RAやリウマトイド因子、リウマチ因子とも呼ばれる項目です。


リウマチ因子と聞くと、いかにも関節リウマチの患者さんで上昇する項目だと思われます。確かに、関節リウマチの患者さんで上昇することの多い項目ですし、このリウマチ因子は高ければ高いほど関節リウマチの治療の予後が不良であることが知られています。

しかし実際には、関節リウマチでない方でも、特に女性でこのリウマチ因子の上昇が見られることがあります。

かつては関節リウマチの診断の唯一の採血項目という時代もありました。

今も整形外科の中ではこのリウマチ因子の上昇のみで関節リウマチと診断するケースもあります。


覚えておいて欲しいのは 、RF は関節リウマチの診断においてはあくまで補助的な項目です。

どちらかと言うと診断にとって有用なツールではなく、関節リウマチの治療の効果判定を行う際の1項目であると考えてください。

このRFは関節リウマチの活動性と相関する傾向があります。お薬の効きを見るツールとして基本的には毎回採血をするようにしています。

なお人間ドックのオプションでリウマチチェックと称して RF を検査する機関がありますが、あまり意味はありません。関節リウマチの診断には抗 CCP 抗体の採血や専門医の触診、レントゲンといった複合的な検査が必要です。
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3.CRPや血沈

関節リウマチは関節の火事であると言えます。

この火事の度合いを見るのにCRPや血沈を使用致します。

非常に炎症が強い方はこのCRPや血沈がとても高く数値化されます。

また関節リウマチが徐々に落ち着いてくると、この項目も徐々に下がっていき、しっかりと火事が収まるとCRPや血沈も正常化いたします。

しかしこのCRPや血沈といった項目も完璧ではありません。

実際には、関節の炎症があってもこのCRPや血沈がきちんと反映されないケースも多々あります。

なので関節リウマチの治療の効果判定を行う際には、CRPや血沈のみを見るだけでなく、症状の改善や関節エコーによる炎症の評価などが必要になります。


4.MMP-3(マトリックスメタロプロテイナーゼ-3)

関節リウマチは関節の火事であると上述いたしました。

もう少し具体的に見ていくと、関節リウマチというのは関節の中にある滑膜という膜に火事、つまり炎症を起こす疾患です。

この MMP-3という項目は、滑膜に炎症があった場合に上昇する項目です。

関節リウマチは放っておくと関節が変形する疾患ですが、その原因はこの滑膜に炎症を起こすことによって引き起こされます。

MMP-3はその滑膜炎を評価する上でとても重要な項目です。

治療がうまくいくと徐々に下がって正常化いたします。

一つ覚えておいてほしいのは、このMMP-3というのは、リウマチ性多発筋痛症(関節リウマチとは別の疾患)や、ステロイド剤を内服した時も上昇してしまうのです。

ですので、MMP-3を評価するコツはワンポイント見て高いか低いかを評価するのではなく、時系列の流れでMMP-3がどのような推移をたどるか?というのをしっかりとチェックをしていく必要があります。

最後に

もちろん上記以外にも

お薬による肝機能障害や白血球の減少血小板の減少はないか?

痛み止めによる腎臓の障害はないか?

ステロイドを内服することによって糖尿病や高脂血症の発症はないか?

などなどチェックすべき項目は多岐にわたります。


全ての項目を総合的に判断することにより、安全に関節リウマチの治療を進めていきます。




金子 俊之

金子 俊之

医師 医学博士 専門はリウマチ膠原病。 順天堂大学付属病院リウマチ膠原病内科を経て、現在は墨田区でリウマチ専門診療を行っているクリニックの院長。 現在も週1回大学病院でリウマチの専門外来を担当している。

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