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関節リウマチ診療で重要な採血項目について

普段リウマチ外来を受診され、おそらく毎回採血をされていると思います。

しかし「リウマチ専門医は一体何を重点的に見ているのかよくわからない」

と思われている方は少なく無いと思います。

今回は、リウマチ診療における採血の重要項目について解説してみました。

メインとなる項目は5項目です。

 

1. 抗CCP抗体

リウマチの方で上昇します。

これが高いとリウマチである可能性が高いとされています。

しかし、この項目は、正常値だからといって「リウマチではない」とはいえないんです。

抗CCP抗体高値→10人中9人はリウマチ

抗CCP抗体正常値→10人中4人は実はリウマチである

なんです。

しかし、この抗体だけを頼りに安易にリウマチである!リウマチではない!と診断されている方もいます。

リウマチは採血だけでは診断できないケースが有るということを知っておいて下さい。

2.RF、リウマトイド因子、リウマチ因子

かつてリウマチの患者さんで上昇すると信じられていた項目です。

しかし、現在では、健康な方の20%程度で上昇することが知られており、あまり診断的価値は無いように思われます。

ですので、人間ドッグなどでこの値が高かったといって全く症状も無い方がリウマチを心配されて受診するケースがあります。

重要★

人間ドッグで採血する項目では無い!!全く意味なし!!!

一方で、リウマチ患者さんでは治療効果と平行してこの値が下がっていくことがわかっていますので、日々の治療の効果判定として活用しています。

​​

3.CRP

体の中の炎症を表す数値です。リウマチは関節の火事といえるので、この火事の程度を表す炎症マーカーCRPが治療の効果判定として非常に有用といえます。

しかし、CRP陰性のリウマチの方もいらっしゃるので、CRPのみをみて安易にリウマチの評価をするのは禁物です。

 

4.MMP-3(マトリックスメタロプロテイナーゼ-3)

関節が変形している時に上昇する値です。これも治療の効果判定に使用します。

この値が高いと、関節変形が進行している可能性があります。

しかし、ステロイド内服やリウマチ性多発筋痛症という関節リウマチとは別の病気でも上昇するので注意が必要です。

  

5.  血沈、赤沈

CRPと同様に炎症の程度をみます。

血沈と合わせて炎症の評価に使います。CRPよりごく少ない炎症でも陽性に出る鋭敏な指標であるといえます。

しかしCRPと同様にこの項目のみでリウマチの病勢の評価を行うのは禁物です。

血沈が正常でも、MRIや関節超音波を施行すると滑膜炎を認めるケースはかなりあります。

 

最後に

上記以外にも、

MTXによる肝機能障害や汎血球減少はないか?

NSAIDsによる腎機能障害はないか?

ステロイドによる糖尿病や脂質代謝異常はないか??

などなど採血による観察項目は多岐にわたります。

 

リウマチ患者さんは、大変だとは思いますがなるべく毎回採血をしていただければ、より安全にリウマチ治療を行うことができます。

 

 

 

金子 俊之

金子 俊之

医師 医学博士 専門はリウマチ膠原病。 順天堂大学付属病院リウマチ膠原病内科を経て、現在は墨田区でリウマチ専門診療を行っているクリニックの院長。 現在も週1回大学病院でリウマチの専門外来を担当している。

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