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アメリカのリウマチ治療ガイドライン、2015年改定について

2015年11月にACRでRA治療のガイドラインに一部改訂がありました。

大きな治療の流れは変わりませんが、重要なポイントとして2点挙げます。


1.ゼルヤンツ(トファチニブ)が生物製剤と比較的同等の推奨となった

トファチニブには生物製剤と同等か、それ以上の効果が期待できると初めて示唆されました。

とはいえ、まずはMTXをはじめとするDMARDsを最初の治療として推奨しています。

DMARDs単剤で6ヶ月ほど経過をみて効果不十分なら生物製剤の使用を検討します。

生物製剤併用でも効果不十分ならば、これまでの生物製剤の変更に加えてトファチニブの使用が推奨されるようになりました。

しかし、まだまだ日が浅い薬であり、長期内服の副作用等まだわかっていないことも多いため、使用には十分注意するよう勧告がなされています。

特に注意が必要な合併症に帯状疱疹があります。

人種によって発生率に違いがあり、日本人では8%前後ではないかと言われています。

帯状疱疹発症後は速やかにトファチニブ内服を中止し、抗ウイルス薬の治療を開始してください。

帯状疱疹が改善した後は、トファチニブを再開するかどうかについては意見が分かれるところです。

トファチニブの適正使用に関しては日本リウマチ学会の「トファチニブ使用ガイドライン」があるので、詳細を確認してみてください。


2.バイオシミラーは今回の改訂では推奨に盛り込まれなかった

バイオシミラーとは、生物学的製剤より安価で、ほぼ同等の効果が期待できる薬剤です。

よく、生物学的製剤のジェネリック医薬品と誤解されることがあります。

しかし、ジェネリック医薬品と違い、生物製剤は構造が複雑なため同一性を示すことが困難なのです。

そのため、新薬と同じような申請資料の提出や安全性調査が求められます。

日本では保険適応ですが、アメリカではまだ保険適応がなく(というか皆保険制度ではないので)今回のACRのガイドラインの推奨には盛り込まれませんでした。

しかし、その効果の高さ、先発品と比較し薬価が安いことなどから今後ガイドラインに盛り込まれていく可能性が高いと思われます。




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金子 俊之

金子 俊之

医師 医学博士 専門はリウマチ膠原病。 順天堂大学付属病院リウマチ膠原病内科を経て、現在は墨田区でリウマチ専門診療を行っているクリニックの院長。 現在も週1回大学病院でリウマチの専門外来を担当している。

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