Original

リウマチ因子が高いと言われた方へ

人間ドックや健康診断のオプションで、関節リウマチのチェックという項目があります。

そこで検査する項目は大抵リウマチ因子 ・RF という項目です。

当院によくいらっしゃる患者で、「人間ドックでリウマチ因子が高いのでリウマチの検査を受けてください」と言う指示があり受診される方がいらっしゃいます。

本人は

「もしかしたらリウマチではないか?」

と大変心配して当院を受診されます。

今回は、健康診断や人間ドックでこのリウマチ因子が陽性だった場合の考え方について解説いたします 。


リウマチ因子について

結論から申し上げると、人間ドックや健康診断でこのリウマチ因子が陽性だったとしても、あまり心配する必要はありません。

もちろんこのリウマチ因子が陽性であることに加えて、手の関節や足の関節が痛む、と言った関節リウマチに疑わしい症状があるようでしたら、やはりリウマチの検査をした方が望ましいと思われます。

しかしこのリウマチ因子というのは、全く関節リウマチではない方でも20%ほど陽性なることが知られています。

特に女性では、このリウマチ因子が陽性になる確率が高いと言われております。

逆に関節リウマチの方でも、このリウマチ因子が上がらない、陽性にならないということがよく見られます。

以前はこのリウマチ因子のみが関節リウマチの診断として用いられており、リウマチ因子が高ければ関節リウマチという診断を下していた時代がありました。

しかし現在は、抗 CCP 抗体というより特異度や感度の高い採血項目があります。

リウマチ因子は私達リウマチ専門医が、関節リウマチの治療の効果判定を行うために採血をします。

しかし関節リウマチの初期の診断として、このリウマチ因子のみで診断を確定するということはありません。

関節症状が全くない場合には、リウマチの発症というのはほぼ疑わなくても良いと思われます 。


健康診断、人間ドッグに適した検査

本来関節リウマチという疾患は健康診断や人間ドックに適した疾患とは言えません。

健康診断や人間ドックは、癌などの命に関わるような疾患に関して、検査感度が高いスクリーニングとして有用な検査項目のみをチェックするべきであると考えられます。

例えば便潜血という検査があります。

これは便を検査に出すだけなので、体に対する負担は全くありません。

一方で特異度(この検査が陽性であれば、その疾患であるという確率)はとても低いので、便潜血が陽性でも大腸癌である可能性はさほど高くありません。

一方この便潜血検査は感度がとても高いので、この検査が陰性であれば大腸癌である可能性は低いと言えます。

このような検査項目が健康診断や人間ドックに適した検査であり、やはり関節リウマチという疾患はスクリーニング検査としてルーチンで行うような疾患ではないと言えます。


なんでリウマチ専門医はRFをチェックするのか?

ではなぜこのリウマチ因子という項目が未だに存在するのでしょうか?

一つは、先ほど申し上げたように関節リウマチの治療の効果判定として日々の診療でチェックすることがあります。

それから関節リウマチ以外の膠原病の存在が疑われた場合でもこの日リウマチ因子が上昇することがあります。

さらには、そのリウマチ因子というのは関節リウマチの治療の予後の判定として非常に重要です。

このリウマチ因子が高ければ高いほど関節リウマチの治療は難渋にする傾向にありますと言われています。

このようにリウマチ因子というのは、リウマチ専門医が必要な状況に応じて検査をするものであって、関節リウマチを全く疑わないような方にスクリーニングで検査をするというのはナンセンスであると言えます。



結論

ある日いきなり関節リウマチの可能性があると言われると、とても心配になると思います。

最近はリウマチ因子だけでなく抗 CCP 抗体を取ってくれるような医療機関もあります。

しかし最終的には、やはりリウマチ専門医をご受診され、本当に自分が関節リウマチかどうかは一度チェックされた方がいいと思います。

私のクリニックにも健康診断で関節リウマチ検査を指示された、ということでたくさんの方が来られます。

その大多数は関節リウマチでもなんでもない方がほとんどです。

またもし、関節リウマチであると診断されたとしても、今は治療が非常に進歩しており、以前のように関節が変形するということはほとんどなくなりました。

リウマチ因子陽性と言われてからリウマチ専門医を受診し、検査結果が出るまではとてもご心配だとは思います。まずはしっかりと、リウマチ専門医の話を聞いていただければと思います。




【関連記事】

関節リウマチってどんな疾患?リウマチとは?

リウマチ診断で必要な検査について

人間ドッグで抗核抗体、ANAが陽性といわれたら

金子 俊之

金子 俊之

医師 医学博士 専門はリウマチ膠原病。 順天堂大学付属病院リウマチ膠原病内科を経て、現在は墨田区でリウマチ専門診療を行っているクリニックの院長。 現在も週1回大学病院でリウマチの専門外来を担当している。

とうきょうスカイツリー駅前内科のことで聞いてみたいこと

とうきょうスカイツリー駅前内科に関して気になること、知りたいこと、聞いてみたいことなどありましたら
何でもお気軽にお問い合わせ下さい。

Rheumatismmとは


リウマチ・膠原病の専門医が正しい知識と最新の情報をお伝えするサイトです。

人気記事ランキング

カテゴリ