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人間ドッグで抗核抗体、ANAが陽性といわれたら

当院にはよく、健康診断や人間ドッグのオプションで

「抗核抗体(ANA)が陽性なので膠原病の可能性があります。お近くの膠原病専門医を受診してください」

と言われ受診される患者さんがいらっしゃいます。

今回は抗核抗体・ANAについて解説いたします。

 

抗核抗体・ANAについて

抗核抗体(以後はANAと略)という採血項目があります。

これは膠原病を疑った患者さんにまず最初に採血するべき項目です。この抗核抗体によって私たち膠原病内科医は多くの情報を得ることができ、診断に役立てます。

このANAですが、実は膠原病ではないまったくの健康な方でも5%~15%ほど陽性で出ることがあります。

 

つまり、この検査は健康診断・人間ドッグには全く必要がありません。

 

健康診断、人間ドッグに適した検査とは?

そもそも健康診断をやる意味というのは疾患の除外です。

この検査で陰性であればほぼ間違いなく疾患の否定ができる(感度が高い)という検査が健康診断では望ましく、この検査で陽性に出ても実際にその疾患である確率(特異度)が高い必要はありません。

ではANAはどうでしょう?

ANAは正常な方でも10%前後陽性に出るので、これ単体では診断の役には立ちませんし、もちろん膠原病であるか?無いか?などは絶対に言えません。

 

一方でANAが陰性なら膠原病ではない!!と言えるか?

 

答えは「No」です。ANAが陰性の膠原病も実はかなりたくさんあります。

抗核抗体は細胞の核に対する抗体のパターンを見ていますが、膠原病の中には核以外にも反応する疾患・抗体が数多くあります。

 

ですのでまったく人間ドッグで行う意味はありません!!!

 

また、ANAに関しては陽性か陰性かだけでなく、その染色パターンが診断にとても重要です。

ですので、まだ、人間ドッグで染色パターンを知らせてくれる機関はまだましといえます。

しかし、かなりの健診期間は、高いオプション料をとって

「ANAが陽性です、専門機関を御受診ください」

はっきり言って詐欺ではないかと・・・

そうして、私のところに受診しても、ANAのパターンが分からないのでまた採血をしなくてはいけなくなるんです・・・

 

最後に

ANAという項目は膠原病診断にとても重要です。

一方で、膠原病を診断するには非常に多くの検査項目を組み合わせる必要があります。

ANAはその一項目にすぎません。

 

ANAは特異度(陽性だったら膠原病である)確率が低いだけでく感度(陰性だったら膠原病を否定できる)もとても低いため、スクリーニングには全く適していません。

もし、膠原病の可能性を否定したいのであれば直接膠原病内科医を御受診いただいたほうがいいと思います。

 

 

 

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金子 俊之

金子 俊之

医師 医学博士 専門はリウマチ膠原病。 順天堂大学付属病院リウマチ膠原病内科を経て、現在は墨田区でリウマチ専門診療を行っているクリニックの院長。 現在も週1回大学病院でリウマチの専門外来を担当している。

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