日本では抗CCP抗体はリウマチの診断のためにのみ用います。
治療の効果判定で毎回測定することはありません。
しかし、海外で生物製剤使用しリウマチを治療した患者さんです抗CCP抗体の値がどのように推移したかを研究した論文があったので簡単に解説いたします。
Changes in anti-cyclic citrullinated peptide antibodies and rheumatoid factor isotypes serum levels in patients with rheumatoid arthritis following treatment with different biological drugs.
Clin Exp Rheumatol. 2016 May-Jun;34(3):424-9. Epub 2016 Feb 9.
71人のリウマチ患者さん、それぞれ生物学的製剤として抗TNF-α阻害薬(日本ではレミケードやエンブレル)、トシリツマブ(アクテムラ)、リツキシマブ(日本ではリウマチには適応外)を使用し治療。
一年後に抗CCP抗体・RF(リウマトイド因子)・DAS28(リウマチ専門医が評価に用いるリウマチの疾患活動性の指標)を評価しました。
生物学的製剤を使用した患者でRFやDAS28とともに抗CCP抗体も改善・減少が認められました。
しかし、リウマチの疾患活動性であるDAS28とはきれいな相関関係は認められませんでした。
そして抗TNF-α薬が無効で、生物製剤をリツキシマブに変更した患者さんに関して、DAS28及びRFに関しては有意な低下を認めたが抗CCP抗体の値には変化がなかったそうです。
やっぱりCCP抗体は治療効果のメルクマールにはならないかな??
他にもMMP-3やCRP、血沈、関節超音波など治療の効果判定に有用なツールはたくさんあるので、ことさら抗CCP抗体を治療のメルクマールに使用しなくてもいいというのが今回の結論です。