リウマチの治療

リウマチ治療、生物学的製剤を導入する前に気をつけること

リウマチ治療において、生物学的製剤は非常に有用な治療です。しかし、導入前にしっかりと検査をし準備をしておかないと思わぬ合併症を引き起こすことがあります。

生物学的製剤を導入する前に注意すべきことに関して解説いたします。

感染症への注意

生物学的製剤の使用時には感染症への注意が必要です。体の中に結核やカビ、B型肝炎やC型肝炎が潜んでいると、生物製剤を導入することによって大暴れしてしまいます。そこで、導入前に肝炎ウイルスや結核菌などが体の中に潜んでいないかどうかを採血、胸部レントゲン、胸部CTなどで行います。

採血

生物学的製剤の導入前において採血はとても重要な検査の一つです。いくつかの方法で血液検査を行います。

HBs抗原・HBs抗体・HBc抗体

特にB型肝炎に関しては注意してみていく必要があります。

普段の検診ではなかなか検出できないB型肝炎ウイルスを検出するためにHBs抗原・HBs抗体・HBc抗体をチェックします。

HBs抗体陽性のみの場合、B型肝炎ワクチン接種による抗体獲得の可能性があり、こういった場合は心配する必要がありません。

問題なのはワクチンを打ったことがないのにHBs抗体が陽性のケースです。

これは以前にB型肝炎に感染したことがある、ということなんです。

こういった方は生物学的製剤治療によりB型肝炎が再活性化する可能性がありますので、定期的にHBV-DNAをチェックし、もしこの値が上昇して来たら速やかに肝臓専門医を受診する必要があります。

詳しくはリウマチの治療前のB型肝炎ウイルスの検査をご覧ください。

T-spot

結核について調べます。

この値が陽性の場合、現在結核を発症している可能性だけでなく、過去に結核にかかったことがある可能性も示唆します。

先ほどのB型肝炎と同様に、生物学的製剤治療で、これまで抑え込んできた結核菌が大暴れする可能性があります。

この場合事前に抗結核薬(イスコチン)を3週間内服、その後より生物学的製剤の治療を開始することが望ましいとされています。

詳しくは結核と生物学的製剤についてをご覧ください。

βDグルカン・HCV

それぞれ体にカビ(のようなもの)・C型肝炎ウイルスが潜んでいないかどうかの検査です。

胸部レントゲン・胸部CT

この検査では、結核や非結核性抗酸菌のチェックに加えて間質性肺炎の有無をチェックします。

添付文書上は間質性肺炎の患者さんには禁忌・もしくは身長投与との記載がありますので事前にチェックする必要があります。

しかし、ここで非常に難しい問題として、リウマチの活動性悪化による間質性肺炎というのもあります。

これはむしろ生物学的製剤などを使用しリウマチを抑えることによって改善します。

実際に生物製剤の副作用による間質性肺炎の合併症は非常に少ないといわれています。

間質性肺炎を認めるリウマチ患者さんの場合、主治医としっかりとお話をし慎重に投与するかどうかを検討することが必要です。