リウマチと骨粗しょう症についてお話をしたいと思います。
骨粗しょう症とは、骨密度が低下し骨がもろくなってしまう病気のことです。
骨粗しょう症になると骨折しやすくなってしまうので、骨密度を改善する治療が必要になります。
もともと、加齢や女性の閉経などでリスクが増大すると言われていますが、近年リウマチでもかなりのリスクが有ることがわかってきました。
リウマチではTNF-αやIL-6といったサイトカインが普通の人より多く産生されます。
このサイトカインの影響で骨粗しょう症が増悪すると考えられます。
もう少し詳しくお話をします。
骨は破骨細胞が骨を食べます(わかりやすく表現すると)。
一方で骨芽細胞が骨を作ります。
骨は、食べられて作られて一定周期で完全に新しい物に置き換わります。
このようなサイクルによってしなやかで丈夫な骨が形成されるのです。
リウマチでは、先ほどのサイトカインによって破骨細胞が活性化されどんどん骨が食べられてしまうのです・・・
この破骨に骨芽細胞が追いつかずに骨がもろくなってしまうと考えられています。
ですので、リウマチによる骨粗しょう症を防ぐためにしっかりとリウマチのサイトカインを抑える治療が必要になるのです。
リウマチの治療に加えて骨を丈夫にする治療も必要です。
ビタミンDやビスホスホネート製剤の内服、そして適度な運動と日光にしっかりと浴びることによって丈夫な骨を形成します。
近年デノスマブ・プラリアという薬剤が発売されました。
これは6ヶ月に一度の注射で効果があると言われています。
このデノスマブですが、リウマチそのものの治療にも効果があるのではないか?
ということで近年研究が進められています。
少なくとも悪い影響はなさそうですのでリウマチの患者さんは積極的に使用するほうがいいのではないかと思われます。
副作用としては低カルシウム血症があるので、定期的に採血でチェックするようにして下さい。