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生物製剤で効果不十分、次の選択肢は?

生物学的製剤はリウマチ治療において非常に優れた薬剤です。

その中でも、一般的にまず使用を検討する生物学的製剤としてTNF-α阻害薬(レミケード・エンブレル・シムジア・ヒュミラなど)が挙げられます。

しかし約30%の関節リウマチの患者さんは、この最初の生物学的製剤で効果が認められないというデータがあります。

最初にTNF-α阻害薬で効果不十分だった関節リウマチの患者さんに、2剤目の生物学的製剤は何を選択するべきか?

2剤目の選択に関して検討している論文があったのでご説明いたします。

 

抗TNF製剤(1剤目)で効果不十分な関節リウマチ(RA)患者の治療におけるnon-TNF製剤と抗TNF製剤(2剤目)の比較:無作為化臨床試験

Gottenberg JE, et al.:JAMA. 316(11):1172-1180, 2016

 

Gottenberg氏らは、TNFα阻害薬が奏功しなかった関節リウマチの患者さんに、再度TNFα阻害薬による治療を受けた患者さんと、TNFα以外を標的とする生物製剤の治療を受けた患者さんを比較するランダム化対照試験を行いました。

対象

1剤目TNFαで効果不十分な関節リウマチの患者さん300人を2剤目もTNFと2剤目TNF以外に振り分けました。

効果があったかどうかは24週後・52週後にそれぞれEULAR改善基準やHAQスコアなどで評価を行いました。

結論

24週時点でEULAR・HAQともにNon-TNFつまりTNF以外の生物学的製剤のほうがより成績が良かったという結論になりました。

★ただし注意点

このTNF以外の生物製剤ですが、アクテムラ・オレンシアといった日本で使用可能な生物学的製剤以外に、日本ではリウマチ患者さんにはまだ使用することのできないリツキサンが含まれています。このリツキサンが治療成績を向上している可能性は否定できません。

安全性

安全性に関しては、TNFで5%・Non-TNFで11%とややNon-TNFの方が有害事象が多いという結果になりました。

 

総論

以上より、最初にTNFα阻害薬を使用し効果不十分だった関節リウマチの患者さんに関して、2剤目にはTNFα以外の生物製剤を使用したほうが治療成績は向上する可能性が高いことが示唆されました。

金子 俊之

金子 俊之

医師 医学博士 専門はリウマチ膠原病。 順天堂大学付属病院リウマチ膠原病内科を経て、現在は墨田区でリウマチ専門診療を行っているクリニックの院長。 現在も週1回大学病院でリウマチの専門外来を担当している。

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