関節リウマチの合併症について

関節リウマチを発症すると様々な合併症を引き起こす可能性があります。ここでは関節リウマチの主な合併症について詳しくご説明していきます。

間質性肺炎

自分の免疫が肺を攻撃してしまった結果、肺が硬くなってしまって線維化してしまう疾患です。肺が膨らみにくくなってしまう、息苦しいと感じる、空咳が出るなどの症状があります。一度進行し線維化してしまった肺は治療を行っても元に戻ることは難しいと言われています。

骨粗しょう症

リウマチの活動性が高い状態が続くと、骨がもろくなるスピードが一般の方より速くなります。いわゆる骨粗しょう症です。

骨粗しょう症になると転倒などで簡単に骨折してしまいます。大腿骨などを骨折すると、歩行に重大な支障をきたすだけでなく、寝たきりになり誤嚥性肺炎などを引き起こすこともあります。

貧血

リウマチによる慢性炎症によって、貯蔵鉄の利用障害が起きてしまい、結果として鉄欠乏性貧血になります。慢性の貧血が長く続くと息切れや倦怠感などといった症状としてあらわれます。また心臓にも負担がかかった結果心不全の原因になることもあります。

脳梗塞や心筋梗塞

リウマチによる慢性炎症が長く続くと、血管にも炎症が及ぶことがあり、結果として脳梗塞や心筋梗塞といった血管障害のリスクが増大することが知られています。

アミロイドーシス

慢性炎症による全身へのアミロイドの沈着によって起こります。消化管に沈着した場合慢性下痢や消化不良、吐き気、腹部膨満感などを認めます。腎臓に沈着すると腎機能低下、腎不全を引き起こすことも。その他にも心不全などの原因になることがあります。

定期的な検査が大切

関節リウマチとは関節のみに影響が出る疾患であると思われがちですが、しっかりと治療を行い炎症を抑えないと、関節が破壊されるだけでなく、全身のあらゆる臓器に影響を及ぼす可能性があります。

また、薬剤の副作用も全身に及ぶこともあるため、治療を継続している間は定期的な血液検査やレントゲン、必要に応じてCTやMRIなどの検査も必要となってきます。日々効果の確認を行い、薬剤の副作用などを起こしていないか検査を行いながら、安全にリウマチ治療を行うことがとても大切です。

「参考サイト・参考資料」

リウマチ情報センター