私達膠原病内科医は、原因不明の発熱が続く患者さんをご紹介いただくことが非常に多くあります。
不明熱を見た時に私達がどういう考え方をするか?について解説いたします。
①感染
②薬の副作用
③癌・悪性腫瘍
④膠原病
⑤その他
を念頭に精査を行います。
肺炎や膀胱炎、脳炎などあらゆる臓器が対象となります。
見落としは許されません。
なぜなら、感染症と、後述する膠原病では治療方針が真逆だからです。
感染症の存在下で膠原病の治療のために免疫を落とすような治療を選択した場合、最悪命の危機にも晒されかねません。
感染は肺炎などのようわかりやすいものばかりではありません。
腸腰筋膿瘍(足の筋肉に感染巣を作ってしまう)や腹腔内膿瘍、また結核や、感染性心内膜炎などは見落としやすいので常に鑑別に挙げておく必要があります。
また、採血などで疑わしければまず先行して抗菌薬や抗ウイルス薬で治療を行う「診断的治療」という方法もあります。
あらゆる薬で発熱などの症状を引き起こす可能性があります。
が、基本的には原因薬剤の中止で速やかに解熱するので診断に困ることは少ないです。
長く続く発熱の原因としてやはり鑑別に挙げる必要があります。
発熱以外の症状が乏しい場合には全身の造影CTや、必要に応じてPET-CTなどで全身精査が必要になることがあります。
上記のあらゆる疾患を除外し、最後に検討すべき疾患です。
感染症・薬剤アレルギー・癌と比較すると明らかに発症頻度が低く、まず疑うべき疾患ではありません。
発熱以外の症状と合わせ、上記検査と並行して疾患の検査を致します。
詳細は「膠原病ってなに?」をご参照下さい。
上記の疾患も除外された場合、偽痛風や深部静脈血栓症などを鑑別に挙げることができます。