リウマチの痛みに使う、痛み止めの種類と使い分けについて

リウマチ治療には、抗リウマチ薬や生物学的製剤に加えて、もう一つ非常に大事な薬剤があります。それは「痛み止め」です。

リウマチの治療は、効果が出てくるのに時間がかかります。その間、リウマチによる痛みを我慢するのは、非常にストレスフルです。さらに痛みを我慢するストレスによって、リウマチの原因となる「サイトカイン」という物質が増加し、リウマチを増悪させることが分かっています。リウマチ治療、特に初期に関しては積極的に使用していき、疼痛をコントロールすることが重要です。

今回はリウマチに使用する痛み止めに関して、種類や副作用、使い分けの観点で解説します。

※薬の服用に関しては、必ず医師にご相談ください。


目次[非表示]

  1. 1.NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
    1. 1.1.ロキソニン
    2. 1.2.セレコックス
  2. 2.弱オピオイド鎮痛薬
    1. 2.1.ワントラム
    2. 2.2.トラムセット
    3. 2.3.トラマール
    4. 2.4.薬の副作用
  3. 3.神経に作用する痛み止め
    1. 3.1.リリカ(プレガバリン)、ガバペン
    2. 3.2.薬の副作用
  4. 4.その他の痛み止め
    1. 4.1.ノイロトロピン
    2. 4.2.薬の副作用
    3. 4.3.漢方薬
    4. 4.4.薬の副作用
  5. 5.医師からの一言


NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)

NSAIDsとは、ステロイドではないタイプの炎症を抑える薬です。NSAlDsのお薬で有名なものとして、ロキソニンやセレコックスなどが挙げられます。


ロキソニン

ロキソニンはOTC医薬品として薬局で買うことも可能です。セレコックスはロキソニンと比較し、胃や腸に対する負担が軽くなるように設計されております。そのため、鎮痛効果に関してはロキソニンより劣ります。


セレコックス

リウマチでよく使われる鎮痛薬として、セレコックスの200㎎があります。セレコックスはロキソニンと比較して胃や腸に対する負担が軽いので、関節リウマチのような慢性の疼痛疾患では長期にわたって内服をすることがあります。


・薬の副作用

ステロイドと違って糖尿病や高脂血症などの生活習慣病や、顔がまん丸くなるムーンフェイス、骨粗しょう症などの副作用はありません。但し、ステロイドと違って、長期に内服すると腎機能に影響を及ぼすことがあります。また、ステロイドと同様に、長期の内服によっては胃潰瘍や腸閉塞の原因となることもあるので、可能であればPPI H2ブロッカーなどの胃薬を併用することが推奨されます 。

お薬全般に言えることですが、人によって薬疹や汎血球減少と言って、白血球や血小板が下がってしまうような副作用が起こることもあるので、しっかりと医師に相談し使用しましょう。


詳しくはステロイドの使用方法・副作用についてをご覧ください


弱オピオイド鎮痛薬

高齢者の方で、慢性腰痛がある、またリウマチで関節が変形し常時疼痛がある、その他自制が難しい疼痛で、長期に痛み止めを内服する方には、こちらの薬剤を選択いたします。長期内服によるリスクはNSAIDsより低いとされています。ここに含まれる薬剤としてワントラムやトラムセット、トラマールなどが挙げられます。


ワントラム

ワントラムは弱オピオイドが1種類入っているお薬です。疼痛緩和に関しては、1種類のみの鎮痛なので、効果は下記の2種類と比較しやや弱くなっています。


トラムセット

トラムセットとは弱オピオイドに加えて、アセトアミノフェンといった比較的作用が少ないタイプの鎮痛薬の二種類が混合されているお薬です。2種類の鎮痛薬が入っている薬なので、鎮痛効果は比較的強くなっています。


トラマール

トラマールは弱オピオイドに加えてSNRIと言う、抗うつ薬に近いタイプの薬が混合されているお薬です。ワントラムやトラムセットで効きにくいタイプの痛みに、このワントラムが著効するケースがあります。


薬の副作用

内服の初期には吐き気があります。最初の1週間は吐き気止めと一緒に内服しますが、中には吐き気が非常に強く出てしまい、内服できない方もいらっしゃいます。内服が可能であれば、副作用が少なく、鎮痛効果の高い非常に有用な薬剤と言えるでしょう。また便秘もオピオイド鎮痛薬の重要な副作用のひとつです。いずれも鎮痛効果は非常に高く、副作用も比較的少ないとされております。


神経に作用する痛み止め

上記2つの痛み止めが全く効かない、しびれなどの神経に起因する痛みがメインの場合は、「リリカ」や「ガバペン」といった薬剤が効果的です。

ここでは神経に作用する痛み止めについて解説していきます。


リリカ(プレガバリン)、ガバペン

実際に炎症が起こっている痛みに対しては、炎症を抑えるタイプの薬としてステロイドやNSAIDsと言ったお薬が必要となってきます。

一方炎症ではなく、神経が障害されることによって起こる痛みは、リリカやガバペンといった神経に作用する薬が効果的であるとされています。

神経障害性疼痛や線維筋痛症、また原因不明の慢性疼痛などに用いられることがありますが、関節リウマチの痛みには効果的であるとは言えません。


薬の副作用

神経の痛みを抑えるために、神経の働きをブロックするようにお薬が効きますので、眠気やふらつきなどの副作用が出ることがあります。最初はごく少量から内服を開始しますが、それでも耐え難いふらつきのために、内服が困難な方もいらっしゃいます。その為、初期には少量から始めて徐々に慣らしていき、時間をかけてお薬を増量していく必要があります。


その他の痛み止め

上記3つの痛み止めでも効果がない場合には、下記の薬を検討します。


ノイロトロピン

ノイロトロピンとは、下行性疼痛抑制系賦活型という特殊な鎮痛作用を発揮するお薬です。シェーグレン症候群やSLE(全身性エリテマトーデス)の関節痛、リウマチでもロキソニンなどのNSAIDsがまったく効果がないケースで使用し、劇的に効くこともあります。反面、全く効果がない場合もあります。


薬の副作用

ノイロトロピンは副作用の心配がほとんどありません。可能な範囲で積極的に使用を検討すべき薬剤であるといえます。


漢方薬

漢方薬は、関節リウマチや膠原病、その他痛みを伴う疾患に対して鎮痛の補助として用いられます。鎮痛効果は、これまでに説明した弱オピオイドやNSAIDsと比べると高くはありませんが、比較的副作用が少なく安全に使用できるお薬です。また、その人に合う漢方薬を適切に処方することによって、思いもよらない鎮痛効果を発揮する場合があります。

関節リウマチなどの関節痛によく用いられる漢方薬として、防已黄耆湯や麻杏薏甘湯などが挙げられます。効果が出てくるまでに時間がかかりますので、最低でも1ヶ月から3ヶ月ほどは内服を継続することをお勧めします。


薬の副作用

漢方薬の副作用はさほど多くはありません。ですが一部の方で間質性肺炎や偽アルドステロン症と言った重篤な副作用が現れることもあります。漢方薬でも、こういった副作用には一応気をつけておく必要があります。


医師からの一言

関節リウマチや膠原病などの疾患による痛みの治療の原則は、疾患をコントロールしていくことです。そのためには、ステロイドや免疫抑制薬、また生物製剤といったお薬を適切に使用する必要があります。


しかし、こういった原病をコントロールする治療というには時間がかかります。その間ずっと痛みを我慢することは、その方にとってもとても辛いことであり、「痛みを我慢する」というストレスで、病気そのものが悪くなるというデータもあります。


疾患の治療の初期には、痛みを抑えるお薬を適切に使い、ストレスを解放しながら、治療に専念していくことがとても大事です。これまでも説明してきたように、鎮痛薬には副作用もあります。しかし、しっかりと副作用を理解し、定期的に検査を行うことによって重症化する前に対応できれば、とても頼もしい治療の補助薬となります。

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金子 俊之

金子 俊之

医師 医学博士 専門はリウマチ膠原病。 順天堂大学付属病院リウマチ膠原病内科を経て、現在は墨田区でリウマチ専門診療を行っているクリニックの院長。 現在も週1回大学病院でリウマチの専門外来を担当している。

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