レイノー現象の症状とは
レイノー現象とは、寒いところなどで指が白または紫色になる症状のことです。人によっては腫れや黒色化、重度の方だと指の脱落などの可能性がある症状です。
レイノー現象の原因
レイノー現象の原因は現在もよくわかっておりません。膠原病によって血管を開く作用のある物質が抑えられてしまうことによって、指先や足先といった末梢の血管の血流が悪くなり、血液が十分に行き渡らなくなった結果、レイノー症状を引き起こすとされております。
レイノー症状がある方は、肺高血圧と言って、心臓から肺に向かう血管の血流が悪くなることもあります。また、肺高血圧は突然死の原因となることもあります。レイノー症状のある方は、一度、心臓超音波や心臓カテーテルなどで、肺動脈圧をしっかりと確認しましょう。
レイノー現象は膠原病で多く見られる
レイノー現象のある方を見たら、私たち膠原病内科医は何らかの膠原病の可能性を疑います。レイノー現象は膠原病を非常に合併しやすい症状といえます。
レイノー現象が多く見られる膠原病
レイノー現象は主に強皮症、クレスト症候群、混合性結合組織病(MCTD)、多発性筋炎、皮膚筋炎などの膠原病で認められます。
全身の皮膚が硬くなってしまう疾患
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クレスト症候群
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一部の皮膚が硬くなってしまう疾患
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混合性結合組織病(MCTD)
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複数の膠原病が同時に見られる疾患 |
多発性筋炎・皮膚筋炎
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筋肉が壊されてしまう疾患 |
皮膚筋炎
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上記に含む
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上記以外にもあらゆる膠原病で合併する可能性があります。気になる方は医師に相談しましょう。
レイノー現象の検査
レイノー現象を認めたら、行うべきことが二つあります。
膠原病の検査する
前述するように、レイノー現象はあらゆる膠原病の可能性を示唆する症状です。レイノー現象以外にどのような症状があるか、家族歴、既往歴など、様々な情報を聴取し、必要な検査を組み立て診断を行います。
臓器合併症のチェック
レイノー現象を認めるものの、はっきりとした膠原病の診断に至らないケースも数多くあります。このようなケースでも、レイノー現象があれば、あらゆる臓器合併症を引き起こす可能性があります。特に、肺と心臓はチェックする必要があります。レイノー現象は間質性肺炎を合併しているケースが多くみられるからです。
心臓に関しては、間質性肺炎ほどではありませんが「肺高血圧」という疾患を合併している可能性があります。
レイノー現象の臓器合併症の種類
レイノー現象認めた場合、必ず検査をする必要がある臓器として肺と心臓が挙げられます。
以下に、レイノー現象がある方で、どのような臓器合併症を引き起こす可能性があるのかを解説していきます。
間質性肺炎
間質性肺炎とは、肺が線維化しスポンジのようになって硬くなってしまう疾患です。
詳しくは「関節リウマチと間質性肺炎」をご覧ください。
肺高血圧
肺高血圧とは右心室から肺動脈に向かう血液の流れが悪くなり、心臓に負担がかかってしまう疾患です。合併することは稀ですが、発症すると突然死のリスクがあるなど非常に怖い疾患です。
レイノー現象がある方は必ず一度は心臓超音波を行い、この肺高血圧がないかチェックをしてください。
レイノー現象の治療法
レイノー現象そのものの治療は大きく分けて2種類あります。
①血管を広げる
プロスタグランジン製剤(オパルモンなど)やシルデナフィル(アドシルカなど)、カルシウム拮抗薬やボセンタン(トラクリア)などがこれにあたります。血管を広げるお薬を使うことによって、なるべく指先まで血液が行き渡るようにします。
②血液をサラサラにする
バイアスピリンなど。しかし、レイノー現象を見た場合、この血液をサラサラにする治療より上記①の血管を拡張する治療を優先させます。
また上記の一部には血液をサラサラにする効果も含まれています。
レイノー現象と膠原病に関する論文
The diagnosis and treatment of Raynaud’s phenomenon: a practical approach.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17352512
医師からの一言
以上レイノー現象を見たらについて解説しました。
指先が寒いところで白くなったり紫になるという症状を認めたら、まずは膠原病内科にご相談することをお勧めいたします。
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