全身性エリテマトーデス・SLEという疾患は、その名の通り全身に様々な症状を認める疾患です。
今回はSLEに関して、診断基準から症状に絞って詳細に解説をしたいと思います。
鼻の両脇から頬の部分にかけて発赤・発疹が起こります。
かゆみを伴うこともあります。
ループスとはラテン語で狼という意味です。
この症状は「狼にかまれたような」と例えられますが、はっきり言ってよく意味が分かりません・・・
丸く赤みを帯びた皮疹が顔や口唇、手や足に出現します。
強い日光に浴びると、浴びたところが火傷をしたようになる症状です。
SLEの方は日光に浴びると、皮疹が出るだけでなく疾患そのものも増悪することがあるので注意が必要です。
よく口内炎と混同されますが、正確にはSLEによる口腔潰瘍と口内炎は違います。
口内炎は白く隆起し、痛みを伴うのが一般的です。
一方SLEによる口腔潰瘍は、深くえぐれているように見え、また通常痛みは伴いません。
手足の関節に炎症をおこし、痛んだり腫れたりすることがあります。
関節リウマチと違い通常関節変形は起きません。
しかし、まれにリウマチのように変形を起こす時もあります。
SLEによる関節変形を「ジャクー関節」といいます。
時にリウマチとの鑑別な困難な時もあります。
関節への炎症が長期化すると発症しやすいといわれています。
ですので、非常に強い関節炎を認める場合にはステロイドや免疫抑制薬の使用を検討する必要があります。
心臓や肺を包む膜に炎症を起こすことです。
症状としては、胸痛や発熱、息切れや息苦しさなどを認めます。
ループス腎炎による蛋白尿があると、初期としては顔やまぶた、また下肢がむくむことがあります。
このむくみをきっかけにSLEと診断される方が非常に多くいらっしゃいます。
非常に重篤な症状です。
けいれんや混乱、思考がまとまらないや性格の変化などの精神症状を認めます。
SLEの中の出現頻度としてはさほど高くはありません。
★重要
SLEやMCTD(混合性結合組織病)の患者さんで、ロキソニンなどの痛み止めを多用すると、この中枢神経ループスを発症することがあります。
痛み止めを使用する際は主治医とよく相談し、注意して使用してください。
以上SLEの症状について解説いたしました。上記以外にもSLEには様々な症状があります。もし、普段と違う・気になることがあったら主治医の膠原病内科医にご相談ください。
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