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意外に多い、リウマチ性多発筋痛症(PMR)のはなし

まず、これは関節リウマチではございません。リウマチと名前がついているので誤解される方が多くいらっしゃいますが別の疾患です。

PMRの症状・診断・治療について見ていきましょう。


原因

はっきりとした原因はわかっていません。おそらくはもともとの遺伝子異常に加えて、加齢によるホルモンバランスの乱れやウイルス感染などが引き金になり発症するのではと考えられています。

あと、悪性腫瘍・癌が発症の引き金となっていることもあります。PMRを疑ったらまずは悪性腫瘍の検査を行う必要があります。


症状

PMRを発症すると下記のような症状がみられます。

・全身の関節痛が出現

・手が上げづらい

・太ももがいたい

・太ももがはばったせいで立ち上がりづらい

・発熱

・体重減少

...など


検査と診断

診断は除外診断と言って、他にこの症状に当てはまる疾患をすべて除外(具体的にはその他の膠原病・悪性腫瘍・感染症・薬の副作用など)し、初めて診断となります。

まずは採血です。一般的な項目に加えて、ALPやMMP-3が診断の役に立ちます。PMRではこの2項目が症状することがしばしば見られます。

PMRは特に悪性腫瘍に否定が重要です。時に悪性腫瘍があるときにこのような症状を呈することが多いからです。

ですので、PMRの診断には少なくとも全身のCT(造影が望ましい)・胃カメラ・便潜血(大腸カメラが望ましい)が必要と考えられます。


治療

治療はステロイドがよく効きます。ステロイドを15㎎~30㎎が初期量としては一般的です(炎症の強さや年齢、体格で初期量を決定します)。一部の方にはMTXなどの免疫抑制薬の併用が必要なケースも有ります。


合併症

側頭動脈炎

PMRに頭痛などを認めた場合は、この側頭動脈炎の合併を考える必要があります。なぜなら、側頭動脈炎は治療が遅れると失明してしまうからです。

治療はやはりステロイドですが、初期量は30㎎以上、またステロイドパルスが必要な症例も多く認めます。一般的に欧米人で多く合併する傾向にあり、日本人は少ないとされています。


類似疾患

RS3PE

両側対称性に手足のむくみを伴った関節炎があります。手足の症状以外はPMRと酷似しています。

治療はやはりステロイドですが、PMRと比較し少なく済むケースが多いです。


医師からの一言

PMRは実はかなり多くみられる疾患です。50歳以上だと2000人い一人くらいの割合ではないかと推測されています。

もしかしたら多くいらっしゃる印象もあります。なぜか?整形外科などで関節リウマチと誤診をされているケースが多く存在するからです。

PMRは存在を知らなければ絶対に診断できません。また、背景に悪性腫瘍が存在していることもあります。PMR発症により癌を早期に発見治療できたケースもあります。

この疾患は割と多く存在するのですが、診断がとても難しい疾患です。なぜなら、この疾患は除外診断と言って、症状の原因として考えられるすべての疾患を否定し最終診断しなければならないからです。

きちんと診断出来たPMRは、ステロイドの投与により劇的に症状が改善いたします。症状が当てはまる方は、まずはお近くのリウマチ科をご受診いただければと思います。


「参考サイト・参考文献」

日本リウマチ財団HP:http://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm120/kouza/kyosai.html




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金子 俊之

金子 俊之

医師 医学博士 専門はリウマチ膠原病。 順天堂大学付属病院リウマチ膠原病内科を経て、現在は墨田区でリウマチ専門診療を行っているクリニックの院長。 現在も週1回大学病院でリウマチの専門外来を担当している。

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